【関節を潤す滑液とは?】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.9

【関節を潤す滑液とは?】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.9

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こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。

淡路島でフェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)の個人セッション(オンライン)やクリパルヨガクラス(対面・オンライン)を行っています。ヨガセラピーやヨガを通して体と心をつないで、本当の私で生きていくことをサポートしています。

このヨガ解剖学では、ヨガに役立つ解剖学などの知識を理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。

専門家向けではなく、体についてこれまであまり勉強したことがない方向けのコラムです。

このコラムを読んで、体に興味が湧いたり、体を感じとるサポートになったら嬉しいです。

さてさて(^^♪

前々回に股関節の構造を投稿して、関節そのものに私自身が再び興味が湧いてるところなんですが。

今日は、関節の基本的な構造から入って、その関節の中を潤している滑液にフォーカスしていこうと思います!

 

関節の基本的な構造

ここで言う関節とは、可動関節(動く関節)のことで、いわゆる滑膜性関節のことです。

可動関節があるということは、不動関節(動かない関節)もある、という意味ですね~。

今日は不動関節の説明は省くとして。

可動関節には色んな形があるけど、そもそもの関節の基本構造ってどんなんでしょう?

関節の基本構造を模式的に表すと、こんな感じです↓

シンプルに言うと、滑膜性関節は関節面、関節包、関節腔からできあがっているの。

関節凸面が関節頭、凹面が関節窩です。

関節面の表面は、滑らかに軟骨で覆われていて、関節の間の隙間のことを、関節(裂)隙というよ。

骨は、骨膜から続く関節包という強い袋に包まれていて、関節包は2層で、外側は繊維膜、内側は滑膜という膜で構成されてます。

繊維膜が密な作りをしてるのに対して、滑膜は疎なんだって。

疎な滑膜は、表面には絨毛、ひだがあるんだよ。

関節は関節包で包まれて、その中は滑液という液体で満たされているよ。

そこが関節腔だよ。

関節腔には、関節円板という繊維軟骨を持つ関節や(顎や胸鎖関節など)、関節半月というクッションの役割をするものを持つ関節もあったりするよ(膝関節)。

それ以外にも、動く関節は靭帯で補強されていたりもするんだ~。

関節の中は、外から見れないし、感じとるといっても、少しわかりにくいかなぁ。

でも!

理学療法士は関節を評価する時に、外から見て、触って、動かしてチェックしてます。

今日は、あなたも理学療法士の気分になって、関節を触ってみる練習をしてみよう~♪

<触ってみよう関節列隙!>
骨と骨の間の隙間である関節列隙、試しに手首の関節の列隙を触ってみよう。

手首を触る時は、肘から先をテーブルなど安定した場所に置いて、手首の力を抜いた状態で触ってみてね。

手首が宙に浮いてると、手背側の筋肉が収縮しちゃって、隙間を触れなくなっちゃうから。

触診をする時のポイント、それは指の腹を使うこと!点で触るんじゃなくて、面で触る。

これ、触診をする時のポイントで、点で触っていると、どこを触っているのか、わからなくなってしまうことがあります。

だから、触れる指は面を使って、目的となる触るものも、どこか一か所を点で触るんじゃなくて、立体的に確認するの。

そして列隙を触りたい時は列隙を探すんじゃなくて、両サイドの骨をしっかり把握するようにしてみてね。

骨の縁が確認できれば、その間が列隙だから。

手首の関節だと、前腕側の骨は割と触りやすいと思います。

手側の骨は小さいし、腱も邪魔して、少し触り難いかも。


(イラストby AC)

ここは、わからなかったらだいたいで大丈夫だよ。

でも、もう一つ試してみて欲しいことは、点で触られる感覚と、面で触られる感覚、その違いを感じてみて欲しいの。

指先でツンツン触るのと、指の腹や手のひらで面で触るの。

点で触られるのと、面で触られるのとでは、触られる人の受ける感覚は確実に違います。

もし、友達や家族がいたら、触らせてもらって、どっちの触り方が力抜ける?安心する?とか聞いてみてもいいかも。

これ、リハする時も基本で、触り方ってすごく大切なところなんだよね。

ヨガ教師でなくても、医療職でなくても、人の体に触れることって、実はあるでしょう。

お子さんに、パートナーに、友達に。

手の使い方、指の使い方は、相手の心を和らげたり、緊張させたりするツールにもなり得るんだよ(*^-^*)

おっと、話が大分逸れました。

では、次は関節包で包まれた関節腔を満たしている滑液。

滑液の招待を見ていきましょう~!

 

関節の中を満たす滑液とは?

では、その滑液。

そもそも、一体どこからやってくるのでしょう?

答えは!

関節包の内側の滑膜が出しているのでした~!

滑液は、滑膜の細胞部分から出ているので、どこの関節にも基本的には存在することになります。

そして、量は膝関節で最も多く、0.5~2.0ml程度です。

歩くときの膝関節は、体重のおよそ4倍の関節反力を受けています。

それだけ、負担を多く受ける膝関節であっても、2.0ml以下の滑液。

コレ、多いと感じます、少ないと感じます?

私は、案外少ないな~と思いました。

そして、液の役割は、潤滑と栄養です。

骨の摩擦を減らして、関節が滑らかに動くように潤滑油の役割を果たしているのが、滑液です。

滑液は、粘素(ムチン)を含んで、糸を引くような無色透明な液体で、弱アルカリ性で卵白に似た性状を持っているんです。

この滑液は、温度の影響を受ける性質を持っていて、温度が低いほど粘稠となります。

冬の寒い時の関節のこわばりは、この関節滑液の粘性増大が原因と考えられているんだって。

私のイメージでは、シャバシャバの液体より粘性が高い液体の方が滑らかに滑って良いのでは?と思ったけど、高ければいい、というわけでもないんだね~。

そして、もう一つの滑液の役割、栄養。

骨の表面にある軟骨には血管、リンパ管がありません。

だから、軟骨は誰かから栄養をもらわないといけないんですね~。

それをしてるのが、滑液さん。

だから、滑膜には血管が豊富にあるんだって~。

なんだか、関節の中ってすごく狭いし、大したことないような気がするけどね。

それぞれが、ちゃんと役割を持って、サポートしあって人の体って成り立っているんだね~。

そして関節には、それぞれ安定性と運動性が必要ですね。

ガチガチであれば安定はするけど、動かせなければ、人間は動くのにとても不自由になってしまう。

関節によって、必要な安定性は違うから、関節はそれぞれ形が違ったり、周りにあるものも違ったりするんだね。

イラストは靭帯が関節包外に描いてあるけど、靭帯は関節包の外側にあるものもあれば、膝のように関節包の中にある靭帯もあるよ。

ここまで、関節腔の内側を満たしている滑液について話してきたけど。

今回、私が滑液を調べようと思ったのは、最近アーユルヴェーダの勉強を始めて、関節を潤滑するシュレシャカ・カパというものが気になったからだったの。

シュレシャカ・カパ

シュレシャカ・カパとは、関節の中を満たしていて潤滑の役割を果たしている液体(水)のことです。

ここでは詳しくは説明しないけど、アーユルヴェーダでは自然界にあるものは、全てが五大元素(空・風・火・水・土)が組み合わさってできている、と考えています。

カパというのは、水と土の性質をあわせもったドーシャです。

私は、シュレシャカ・カパ=滑液 なのかな?て思ってたの。

で、そのシュレシャカ・カパは、手首や足首の関節から沢山出てくるって聞いていて、それがなんで?って不思議に思ったんよね。

関節は他にもあるのに…て。

西洋医学的には、滑液は滑膜の細胞部分から出てくるもので、膝関節で一番量的には多く、手首や足首に特別多いという記載はどこにも見当たりませんでした。

でも、滑液は卵白に似た性状で粘性があるとか、冷えると粘性を増す、という点はアーユルヴェーダでいうカパのグナ(質)と重なる部分があるな~と。

つまり
卵白に似た性状で粘性がある→スニクダ(油のような)、スネハ(すべらか)
冷えると粘性を増す→ヒマ(冷たい)が加わると、さらにスニクダ、スネハが増える
そういった性質によって、関節内にスラクシュナ(なめらかさ)を与えてる。

そして、関節を守る。

カパの性質そのものだよね~。

それから、もう一つ「滋養を与える」というカパの性質。

西洋医学では、軟骨には血管やリンパ管がないから、軟骨を滑液が栄養してる、てあったよね。

つまり、滋養を与えてる。

アーユルヴェーダでは、シュレシャカ・カパは、滑液だけのことを指すわけではないみたいなんです。

あくまで、関節の中にある水を差してるみたい。

だから、西洋医学でいう滑液≠シュレシャカ・カパ ではない。

でも、シュレシャカ・カパの中に西洋医学で言う「滑液」は含まれる、と私としては解釈しました。

かなりマニアックな話になりました。

今回、アーユルヴェーダのシュレシャカ・カパが発端で、滑液を調べようと思い至ったので、最後に自分の備忘録として書きました。

 

まとめ

関節の基本構造と、関節の中を満たす滑液についてまとめました。

滑液は、潤滑と栄養という役割を持ち、卵白に似た性状を持つ弱アルカリ性の液体でした。

アーユルヴェーダで関節の潤滑の役割を持つ「シュレシャカ・カパ」という概念は、西洋医学でいう「滑液」をイコールで表すものではありませんでした。

しかし、カパの性質である「守る」「滋養を与える」という役割を持つ点では共通していました。

あとがき

今日も、ここまでお読み頂きありがとうございました~!

前回と今回の内容は、いわゆる基礎にあたるところで、ヨガのプラクティスと結びつけることは難しかったんですが、ベースになるところなので、是非一度は立ち止まって読んでみて欲しいところです。

覚えなくていいですから。「あ~こういう話、あったなぁ」くらいで流し読みしてみて下さいね。

私自身、アーユルヴェーダを勉強するようになって、西洋医学と似てるところもあり、でも全てが同じではない。

それを照らし合わせる作業をしてみたくて。

西洋と東洋、アーユルヴェーダ。優劣をつけるためではなく、ただどんな違いがあって、どんな部分が似てるのか。

知って、いいとこどりをするための、私自身の学びとして、このヨガ解剖学は役立ってます。

だから、少々書くことは大変ですが、ヨガ解剖学を初めて良かったな~、とも思っています。ありがとうございます(*^-^*)

 

<募集中>
ヨガ解剖学では、今後扱ってほしい内容を募集しています。お答えできない場合もあるかもしれませんが、できる範囲で回答していこうと思います。気になっている解剖学のことなどあったら、教えてもらえたら嬉しいです。お待ちしています^^

ヨガ解剖学リクエスト

<参考文献>
(1) 越智淳三 訳、解剖学アトラス 第3版、文光堂、1998年、p2~3
(2)奈良勲 監修、運動療法学総論、医学書院、2003年、p22~28
(3)クリパル・アーユルヴェティックヨガ・基礎1~2資料、2021年

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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士 洋

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