【股関節の構造】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.7

【股関節の構造】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.7

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こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。

淡路島でフェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)の個人セッション(オンライン)やクリパルヨガクラス(対面・オンライン)を行っています。ヨガセラピーやヨガを通して体と心をつないで、本当の私で生きていくことをサポートしています。

このヨガ解剖学では、ヨガに役立つ解剖学などの知識を理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。

専門家向けではなく、体についてこれまであまり勉強したことがない方向けのコラムです。

このコラムを読んで、体に興味が湧いたり、体を感じとるサポートになったら嬉しいです。

さてさて(^^♪

私、前にも書いたけど、股関節が好きなの。大好きなの♡

股関節の何がそんなに好きかって?

まず第一に、形が可愛い(・∀・)イイ!!

じゃ、今日はさっそく形から見ていきましょう~。

あ、その前に、股関節てどこにあるかわかります?

漢字にもあるけど、股(マタ)の関節、そう、ココだね~!

上半身と下半身をつなぐ関節、だから左右にあります。

じゃぁ、その形は?

股関節の形

これは、股関節を前から見た写真なので、写真の左側が右です。

股関節は、骨盤側の寛骨と下肢側の大腿骨から形作られています。

股関節をもう少しズームしてみると…

あ、大腿骨の方は、なんだかまるっとしてますね。

これが、個人的に可愛ええぇぇぇ(・∀・)!!とツボなんです。

このまるっとした大腿骨頭を、斜め上から臼蓋(きゅうがい)が包み込んでるのが股関節の構造です。

股関節は、球状の関節面を持ち、臼状関節(ball-and-socket joint)とも言われます。

「臼」て「うす」、お餅をつく時のアレです。

股関節の臼蓋(受け皿)と骨頭は、臼と杵とイメージするとわかりやすいね~。

肩関節も球関節だけど、肩は受け皿が浅く、股関節は受け皿が深い。

受け皿が深いということは、より安定した構造ってこと。

なぜなら、股関節は、動く以外に、荷重に耐え得る関節でないといけないから。

だから、包み込む受け皿側が深く、さらにそれだけでは足りなくて、周りに関節唇という軟骨のようなものまで備えて、簡単には脱臼しないようにしてるんだね~。

では、もう少し詳しく。今度は受け皿側の寛骨をみていきま~す。

3つの骨が合わさっている臼蓋

股関節の受け皿の臼蓋は、実は3つの骨からできています。

腸骨・坐骨・恥骨

3つの骨は、成長していくにつれて1つの連続した骨となって、寛骨臼という臼蓋になります。

ちょうど3つの骨が合わさっているところが、受け皿の臼蓋の中でYの字をしてるんです。

これ、面白いよね。

すごく圧が加わる部分なのに、3つの骨が合わさってできてる。

もろくなっちゃうんじゃないか?と思うけど、骨頭の成長に合わせて受け皿側も形を上手に変えてく必要があるからなのかな?なんて思ったり。

でも、臼蓋で3つの骨が合わさるホントの理由は、私にもわかりません。

3つの骨が合わさって、成長と共に一つの寛骨になった臼蓋は、前方・外方・下方を向いてます。

これ、後でもう一度出てくるので、なんとなく覚えといてね!

受け皿は、わかった、じゃぁ次は、骨頭を見ていきましょう~。

まるっとした可愛い骨頭

大腿骨頭は、まるっとしていて、そのフォルムが可愛いな~と思うんですが。(笑)

実は、骨頭は100%丸いわけじゃなく、2/3だけが丸いの。

荷重を受ける部分は、分厚い軟骨で覆われていて、厚い部分だと2~3ミリもあります。

大腿骨頭と大腿骨骨幹部(太ももの長い骨の部分)は、頸部がつないでます。

頭と胴体(幹)をつなぐから首(頸部)だね。

よく、高齢者が転んで「大腿骨頸部骨折」という骨折をするよね。

あれは、この部分での骨折です。

頸部で骨折したら、立てなくなる、というのは、頸部の場所を見ただけでも、なんとなくイメージできますね。(適切な治療をしたら、また立てるようになります)

そして、この頸部があることで、大腿骨は「頚体角」と「前捻角」という角度を持つのです~!

(ここで、諦めないでもうちょっと読んでみてね~!ここからが、面白いとこだから。)

頚体角とは、大腿骨骨幹部と大腿骨頸部軸のなす角度のことです。

これによって、骨頭は上方・内方を向いてます。

一方、前捻角とは

イラストは右の大腿骨を上から見たものです。

前捻角とは、大腿骨がどれくらい捻じれているかを計測したものです。

要は、大腿骨頭は、若干前方を向いている、ということです!

頚体角や前捻角があることで、骨頭は真上を向いているわけではなく、前方・内側・上方を向くわけです。

あれ?さっき似たようなことが出てきたような?

そう!臼蓋の時にも出てきましたね!

股関節は向き合っていない!?

臼蓋と骨頭の向きを、表にしてみました。

臼蓋(受け皿) 前方
骨頭 前方

ふむふむ。外向き、内向きはお互いが向かい合ってるし、上向き、下向きも向かい合ってる。

ん?



ん???

センセー、これおかしくないですかぁ?

受け皿の臼蓋も骨頭も、前向いてますよー。

向き合ってませんよー。

これじゃぁ、脱臼しませんか?

そう!そうなんです!!!

股関節の前方は、完全に臼蓋で覆われてるわけじゃないんです。

つまり、前方には不安定な作りなんです!

コレ、イメージわきます?

自分の手をグー(骨頭)とパー(臼蓋)にして、骨頭と臼蓋の向き関係をイメージしてみて下さいね。

そして、ここからが今日の一番のポイント!そして、ちょっとマニアック、でも、ヨガと関係するとこです~!

骨頭の向きは、可動域にも影響する!?

この頚体角と前捻角は、個人差があって、同じ人の中でも左右差があるものなんです。

<考えてみてね>前捻角が大きいと、つまり骨頭が前方を強く向いてると、股関節はどうなります?

臼蓋が骨頭を覆う面積が狭くなります。

単純にイメージしてみて下さい。

骨頭が臼蓋(受け皿)に沢山おおわれているのと、おおわれていないのと。

どちらの方が、関節は大きく動かせそう(可動域は大きい)ですか?

・・・

沢山おおわれていない方が大きく動かせそうですよね。

そしたら、前捻角が大きい方が、関節が柔らかくて良いってこと?

そうとも限りませーん!

動かせる範囲が広いということは、言い換えると、不安定ともいえます。

周りの筋肉が、それを支えるだけの力を十分に持っていたらいいけど、そうでない場合は?

圧力のかかる場所が狭い範囲に集中して、軟骨のすり減りや変形、痛みになったりする時さえあります。

女性に多い、生まれつき臼蓋が浅い臼蓋形成不全という状態。

臼蓋形成不全があっても、痛みや症状が全くない人もいれば、痛む人もいます。

また、出産を機に痛みだしたり、加齢によって痛みだしたりすることもあって、筋肉によるサポートがいかに関節を守っているか。

その大切さを感じます。

でもね、たとえ、前捻角が強くって、関節が不安定であっても、体ってすごくんだから。

不安定だったら、安定させる反応をしてるんです!

例えば、前捻角が強く、骨頭が前方を向いて、かぶりが浅く不安定だったら、股関節を内旋(内側にねじる)させて浅いかぶさり補ったり。

骨盤を前傾させて、かぶりを深くしたり。

今ある体で、なんとかやっていこうとするんです。

体は、私たちが思ってる以上に、微調節をしてくれてるの!

ほんと、すごいよね。

生まれつき持つ体の個性を、受けとる

頚体角や前捻角は、生まれつき持つ骨の形、つまり、私たちの努力ではどうにも変えようのないもの。

でも、それが関節の動く範囲(可動域)に影響してるんです!

生まれつきの骨の形で、可動域に個人差や左右差が出てきちゃう。

もちろん、関節の動かせる範囲(可動域)、固さ、柔らかさは骨だけじゃなくて、周りの筋肉や靭帯も影響するよ。

でも!

ある程度、その人の持って生まれた体の特徴ってあって、それは変えようもなくて、当然影響もするんです。

コレ、個性だと思うんです。

それを、私は体が固い、あの人は柔らかい、私の頑張りが足りないから固いんだ、もっと努力すればあの人と同じくらいになるはず。

と、無理やりにストレッチをしたりすれば、どうなるかな?

体、壊れちゃうよね。

体の左右差も、ネガティブに捉えられることが多いけど、そもそもの骨に左右差がある人だって多いんです。

だから、あまりそこにこだわりすぎて、人と同じになること、左右を同じにすることに力を注ぐよりも、それはそれとして認めて、その体に合わせていった方がいいと、私は思ってます。

生まれつき持つ体の個性を、受けとる。

関節の動く範囲(可動域)や体の固い・柔らかいって、ど~しても根性論で語られがちだから。

そうじゃなくて、元々の自分の体の特性を、個性として受け入れてあげて欲しいな~、てことで今回シェアしました(^^♪

股関節が一番安定するヨガの姿勢は?

ちなみに、これ、オマケですが。

股関節を作る臼蓋と骨頭は、完全に向き合ってはいなくて、不安定さもあわせ持った関節だったね。

<考えてみて>臼蓋と骨頭が向き合って、大腿骨頭が臼蓋内にすっぽり納まるヨガで多くする姿勢があります。な~んだ?





ハイ!

テーブルポジション(よつばい)

よつばいは、人間が進化の過程で手放した姿勢、移動ですね~。

四つ足移動から二足歩行になったことで、股関節の関節面はぴったりとは合わない不安定さ、を持つことになった。

でも、人間は二足歩行によって、様々な進化や発展も遂げた。

股関節はある意味、犠牲になったんですよ~( ノД`)

うぅぅぅ、そうだったんだ、股関節、なんだか泣ける。

そんなことを知ると、股関節やっぱり要(かなめ)だね~。

やっぱり股関節LOVE(。・ω・。)ノ♡

 

まとめ

股関節の構造を紹介していました。

まるっとした骨頭とそれを覆う臼蓋、股関節は、臼(うす)状の深いかぶさりを持った臼状関節でした。

受け皿の臼蓋によって骨頭はおおわれていますが、完全に覆われているわけではなく、前方は骨頭が露出した状態でした。

これは、大腿骨に前捻角があるためで、骨の形には個体差や左右差があります。

生まれ持った骨の形は、股関節の状態には大きく影響します。

また、最後に骨頭が臼蓋にすっぽり納まる姿勢として、テーブルポジション(よつばい)を紹介しました。

 

あとがき

今日も、ここまでお読み頂きありがとうございました~!

股関節が好き、という理由から、その形についてフォーカスしてみました。

他にも股関節について、書きたいことはまだまだあります。

いつも、シンプルに書こう!と思って書きはじめるのに、マニアックになってしまって…。

もっと、もっと書きたいことを絞っていこうと思います!

次回は、何を書こう?もし、ご要望があったらいつでも教えて下さいね~♪

<募集中>
ヨガ解剖学では、今後扱ってほしい内容を募集しています。お答えできない場合もあるかもしれませんが、できる範囲で回答していこうと思います。気になっている解剖学のことなどあったら、教えてもらえたら嬉しいです。お待ちしています^^

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<参考文献>
(1) I.A.KAPANDJI、カパンディ関節の生理学Ⅱ下肢、医歯薬出版株式会社、1998年、p4~21
(2)Michawl Schunke 他、プロメテウス解剖学アトラス 解放学総論/運動器系、医学書院、2009年、p364~369
(3)寺山和雄 監修 他、標準整形外科学 第7版、医学書院、1999年、p466~472

洋のヨガクラスは、現在(2021年6月)淡路島ヨガクラス(セミプライベート)とオンラインヨガクラスをしています。

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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士 洋

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