【ヨガポーズが安定するための3つのポイント】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.15 

【ヨガポーズが安定するための3つのポイント】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.15 

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こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。

淡路島でクリパルヨガクラスと
フェニックス・ライジング・ヨガセラピーをしています。

 

このヨガ解剖学では
ヨガに役立つ解剖学などの知識を
理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。

 

専門家向けではなく、体について
あまり勉強したことがない方に向けたコラムです。

 

さてさて~(^^♪

 

あなたはヨガをしてて
ポーズがなかなか安定しない

なんてことありませんか?

 

私の教えているクリパルヨガでは
ポーズの安定には「土台の安定!」を
何度も伝えるんですが。

 

クリパルヨガで言う土台とは
床に接している部分のことです。

 

立位であれば足の裏
仰向けであれば背面の床に接している部分。

 

この床に接している部分を
しっかり押し下げたり、均等に圧をかけるように
意識することで、土台を安定させます。

 

でもね、それだけじゃない
ポーズの安定のさせ方があるんです!

 

今日は
ポーズが安定するための3つのポイントを
理学療法士的視点から紹介します!

 

重心と支持基底面

まずはじめに、重心の話をしますね。
重心、聞いたことありますか?

 

なんとなく、物体のバランス取れるところ
なんてイメージの方もいるかもしれませんね。

 

そうそう、そんな感じで大丈夫(^^)

 

地球上の物体には、どんな物体であれ
重力が作用しています。

 

地球の中心に向かう力、とイメージしてみてね。
重力は物体の各部分に働きます。

 

人間であれば、手・前腕・上腕・体幹・骨盤…
それらを1つに合成したものが重心です。

 

つまり
体に作用する重力を一つにまとめたもの
それが重心です。

 

重心から地球の中心に向かう直線のことを
重心線といいます。

 

人の重心は、およそ骨盤内で
仙骨のやや前方と言われます。

 

男性であれば、身長の約56%
女性であれば、身長の約55%

 

この重心線が、支持基底面内に収まっている時に
転倒せずに姿勢は保っていられるんです。

 

支持基底面!?

 

ここで、もう一つNew wordが出てきました。

 

支持基底面とは
体が床に接してる部分の外周で作られるスペース
のことです。

 

つまり…
立位であればピンクで囲まれたところ

よつばいであればこちら

 

支持基底面の中に重心線が下りている状態を
作っていられれば、姿勢は保てます。

 

でね。ここからが今日の本題です!

 

姿勢を保っていられても
安定しない経験てありませんか?

 

私はめっちゃ経験あります^^

 

ではでは。
姿勢を安定して保つための3つのポイントを
紹介しますね~♪

 

今日はこの後の話は全て木のポーズを使って
話を進めていきます。


(木のポーズ)

 

<木のポーズ>
1.両足で立ちます
2.左足に体重を移動させ、右足の踵を左の踝(くるぶし)にあてます。
3.バランスが保てているようだったら、右足をふくらはぎ、太ももの内側、さらに行けそうだったら鼠径部と高さを上げてい、右足裏を左足に押し当てます。
4.両手を胸の前で合掌し、大丈夫そうだったら息を吸いながら、そのまま手を頭上まで上げて、テンプルポジション(人差し指だけ残して残りの4本の指を組む)を作るか、両手開いてVの字にして。手の位置も選択して。
5.目線を一点に固定して、集中して、呼吸して。
6.吐く息で手を下ろしてきて、足も床に下ろして、両足ついて、軽く目を閉じて。自分の内側を感じます。

木のポーズは両足

片脚

足を上げて

腕を上げるというポーズです。

 

まず支持基底面が狭くなり、重心位置を上げて、
あえて体を不安定にしていくポーズです。

 

それを体の各部分が互いにバランスをとりあって保つポーズ。

 

それが木のポーズです。

 

姿勢を安定して保つための3つのポイント

<姿勢を転倒せずに静止して保つための3つのポイント>
1.支持基底面は広いほど安定する。
2.重心の高さは低いほど安定する。
3.重心線の位置が支持基底面内の中心に近いほど安定する。

1、支持基底面は広いほど安定する

両足で立っている時の支持基底面はピンク。
片脚で立っている時の支持基底面は水色。

 

片脚立ちになると、支持基底面は狭くなります。
重心が基底面から外れやすくなります。
当然、不安定になりますね。

 

木のポーズでもあげる足を踝レベルにして
つま先を少し床についてるだけでも
基底面は広がります。

 

ほんの少し体の使い方を変えるだけで
ポーズが安定することもあります。

 

ただ、立位ポーズでも
例えば戦士のポーズ1の時などは
単純に足幅を前後に大きくしたのでは
支える脚の筋力がより大きく必要になる場合もあります。

 

基底面を広げることを優先するのか、下肢筋力を優先するのか。

 

体を感じとりながら、探ってみて下さいね。

 

余談ですが。
杖の使用も、杖も体の延長と考えて
支持基底面を広げて安定性を高める対応の一つなんですよ。

 

2、重心の高さは低いほど安定する

木のポーズでは
足や腕のポジションは色々と選択できましたね。

 

足は踝(くるぶし)の高さでもいいし
ももの高さや鼠径部でもいい。

 

腕も胸の前で合掌してもいいし
手を挙げて合掌、テンプルポジションでもいい。

 

脚や腕の高さで変えているもの



それは重心の高さです!

 

先ほどもお話しましたが
重心は体の各部分にかかっていて
それらを1つに合成したものでした。

 

だから
腕をバンザイすれば腕の重心位置が高くなります。

 

すると
腕の重心の高さに引っ張られて
1つに合成した重心位置も上がります。

 

重心は高くなると不安定になる
言い換えると
重心の高さは低いほど安定します。

 

ピラミッドをイメージしてもわかりやすいですね。

 

またまた余談ですが。

 

重心の位置は、体型によっても差が出ます。
子供は大人よりも重心が高く、立位姿勢は不安定です。

 

大人であっても
下半身がっちりと上半身がっちりでは
重心の高さが違うので
そもそもの安定性が違ってきます。

 

また
妊婦さんはもっと重心位置のコントロールが大変になってます。

 

妊婦さんは
慎重にヨガする方が多いですが
元々ヨガをしてた方の場合は要注意です。

 

妊娠してない時はできた
のノリで同じようにやって
バランスとれなくて怪我をしたなんてことのないように。

 

妊婦さんは
妊娠してない時と比べて重心位置が高く
そして体は重くなっています。

 

バランスは妊娠してない時より取りにくいので
その点は、ヨガ教師側から伝えてあげるといいですよね~。

 

先ほどと同じですが
立位で膝を曲げてするポーズなどでは
膝を曲げて重心を下げると下肢筋力は
より必要になります。

 

下肢筋力が十分でない方の場合は
逆に不安定を助長することにもなり得ますので。

 

ポーズによって重心を下げたら安定するのか
そうでないのか
色々考えてみて下さいね~。

 

3.重心線の位置が支持基底面内の中心に近いほど安定する

しつこく木のポーズでお話します。

<やってみよう>木のポーズで重心をつま先にかけてやってみましょう。また、後半では重心を足部の真ん中付近にのせてやってみましょう。

どうでした?

 

重心をつま先付近にのせた時は
少しでもぐらついただけでも
転倒しそうになりますよね。

 

でも
これが重心を足の真ん中付近に下ろした場合はどうでした?

 

多少ぐらついても、なんとか立て直せますよね。

 

こんな風に
重心は支持基底面の中心に近いほど安定します。

 

重心のぐらつき、動揺は
誰にでもあるものなんです。

 

その揺れ動いた時に
一瞬でも重心が支持基底面から外れれば
転倒を招きます。

(重心がつま先にある時と、足の真ん中付近にある時のイメージです。重心の周りでぐちゃぐちゃしてるのは、重心動揺を現わしてます。)

 

でも
重心が支持基底面の中心に近い位置にあれば
多少揺れ動いても基底面から重心が外れずにいられます。

 

重心位置を調節するためには
体の各部分の筋力が必要ですし
体の使い方(戦略)も大切です。

 

戦略の話は、かなり長くなるので
今日は省きますが。

 

重心をかける位置は、足裏の感覚を使って
踵の方にかけたり、つま先の方にかけたり
足の真ん中付近にかけるなど
感覚を使って調節もできますよね。

 

足裏だけに関わらず、床に接してる部分
つまり土台の感覚は、今の体の状態を知る手がかりになります。

 

足裏や坐骨など、土台と言われる部分は
押し下げるだけでなく
よ~く感じとってみて下さいね。

 

ポーズが深まるヒントが、きっと沢山ありますよ^^

 

まとめ

今日は、ポーズを安定させるための
3つのポイントを紹介しました。

重心と支持基底面は
姿勢保持を考える時の基本的な概念です。

後半では、重心と支持基底面の関係から
ポーズを安定させるための3つのポイント
を紹介しました。

是非
今日紹介した以外の色んなポーズで考えてみて下さいね。

次回は、なににしようかな?
ネタ募集してま~す。↓↓↓

<募集中>
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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士 洋

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