【胸式呼吸とは?】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.20

【胸式呼吸とは?】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.20

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こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。

淡路島でクリパルヨガクラスと
フェニックス・ライジング・ヨガセラピーをしています。

 

このヨガ解剖学では
ヨガに役立つ豆知識を
理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。

 

専門家向けではなく
普通の方向けのコラムです。

 

さてさて~(^^♪

 

前回お届けした「腹式呼吸とは?」が
予想以上に人気で
色んなご感想を頂いて
とっても嬉しいです!

 


ありがとうございます!!!

 

今日は
腹式呼吸の次によく聞く
「胸式呼吸」について
シェアしますね~♪

 

安静呼吸ってなに?

安静時というのは
座ってる時など安楽で静かにしてる時
という意味です。

 

呼吸を考える時は
安静時とそうでない時(運動時)で
考えていくとわかりやすいです。

 

その上で、まずおさらいから。

 

前回の投稿で
肺は自分一人で空気の出し入れができません
とお話しました。

 

だから
胸郭に付着する筋肉が収縮して
胸腔内圧が陰圧化して
空気が流れ込んでいるんでしたね。

 

前回の投稿を読んでない方は
是非読んでみて下さいね。

 

その時に最も大きな働きをしてるのが
横隔膜でした。

 

横隔膜のように
息を吸う時に働く筋肉のことを
吸気筋といいます。

 

横隔膜は最も大切な吸気筋であり
安静呼吸の70%は
横隔膜で行われています!
びっくり!

 

でも
吸気筋は横隔膜だけではありません。

 

安静呼吸では
横隔膜+外肋間筋
が吸うことを支えています。

 

外肋間筋とは
肋骨の間にある筋肉です。

 

外肋間筋が働くと
胸郭が挙上され
胸郭は広がって
空気がより多く流れ込むんですね。

肋骨の間に小さくある矢印
この向きに外肋間筋はあります。

 

そして息を吐くときは
安静呼気では
吸気筋がゆるんで元に戻ることで
行われています。

 

つまり
安静呼吸で吐くときは
筋肉の収縮はいりません。

 

伸びたバネが元に戻るイメージです。

 

胸郭の弾性(元に戻る力)を
安静呼気では利用してるんですね。

 

大きく呼吸したい時は、どうするの?

 

でも
いつもいつも安静呼吸で
いられるわけじゃないですよね。

 

運動した時
深呼吸などの時

 

沢山空気を吸って
沢山吐かなければいけません。

 

そんな時にサポートしてくれるのが
吸気補助筋です。

 

吸気補助筋は
斜角筋+胸鎖乳突筋
です。

 

斜角筋は
首の前面についていて
首から肋骨に向かって走行しています。

 

胸鎖乳突筋は
耳の下にある乳様突起~鎖骨に向かって
走行しています。

 

これらの筋が吸気に働くことで
より胸郭は大きく動き
空気が多く入ってきます。

 

では、吐くときは?

 

安静呼気では筋の収縮なしに
息を吐くことができましたが
大きく吐くときには
筋の収縮が必要です。

 

その場合の呼気筋は
腹筋群と内肋間筋です。


内肋間筋は
肋骨の間にある小さい矢印の向きに
走行してします。

 

イメージわきます?

 

皆さんも経験ありませんか?
風邪をひいて、咳を沢山した翌日
腹筋が筋肉痛になったこと。

 

あれは
呼気筋が沢山働いたからですね。

 


(呼吸筋まとめ)

筋の働きで
胸郭がより小さくしぼんで
空気が外に出ていくんですね。

 

胸式呼吸とは?

 

横隔膜以外にも
胸郭に付着する筋の働きで
胸郭が広がったり、しぼんだりして
空気が出入りしてるイメージわきましたか?

 

この胸郭の動きで行われる呼吸を
「胸式呼吸」といいます。

 

でも。
胸式呼吸ってなんとなく
悪者みたいなイメージありません?

 

ネットで検索しても
病院とかでも
腹式呼吸押し!みたいな。(笑)

 

でも
胸式呼吸が全くできないと
それはそれで苦しいんですよ。

 

例えば
全力でダッシュしてきてください!

 

ダッシュ直後に
胸郭1ミリも動かさずに
腹だけ呼吸します。

 

無理ですよね。(笑)
苦しい時って
肩も一緒になって
ハーハー胸に呼吸しますよね。

 

逆に
楽な姿勢でリラックスして
音楽聞いたり
美味しいチャイを飲んだりしてる時に
お腹一ミリも動かさないで!!!

 

これも無理ですよね。(笑)

 

こんな時は
胸式呼吸だけだと
全然リラックスできない。

 

腹式呼吸と胸式呼吸って
要は
バランスなんです!

 

ベースになるのは腹式呼吸
安静時や運動時も呼吸の土台です。

 

胸式呼吸も
安静時に多少は行われてます。

 

でも
胸式呼吸のデメリットは
疲れやすいこと。

 

腹式呼吸の方が沢山空気を
取り入れやすいんです。

 

だから、胸式呼吸は
いざ!
体が空気を短時間で沢山必要としてる時の
お助マンが胸式呼吸です。

 

伝わります?

 

それが
腹式呼吸の土台が揺らいでしまうと
安静時から胸式呼吸を沢山使って
疲れやすいし、首肩は凝る。

 

その状態で動くと
すでにお助けマンは使っちゃってるから
余力がなくて苦しい
動けない!となるんですね。

 

ですから
あくまでもベースは、腹式呼吸です。

 

自律神経への影響

 

これまでの話で
リラックスしてる時は腹式呼吸
運動時などは胸式呼吸
でしたね。

 

これ偶然じゃなくて
呼吸による自律神経への影響なんです。

 

腹式呼吸は副交感神経を働かせ
胸式呼吸は交換神経を働かせます。

 

私の体験談ですが
時間に追われて車運転してる時って
胸式呼吸になってるんです。

 

いやいや
シートベルトの影響も多少は
あるかもしれないけど。

 

時間に追われて
緊張して、戦闘態勢で
運転する。(笑)…怖い

 

すると
呼吸は自然と胸でしてるんです。

 

あなたも
日常でどんな時に
呼吸を胸でしてるか
腹でしてるか。

 

案外、自分でもわかるもんだから
観察してみて下さいね。

 

ヨガとピラティスの呼吸

最後に。
ピラティスってご存じですか?

 

ドイツ発症の
インナーマッスルを鍛えるエクササイズ。
女性に人気ですよね。

 

元々は
負傷した兵士に対するリハビリとして
考案されたものみたいです。

 

リハビリってやっぱり
戦争があるところで
発展していくことが多いんですよね。

 

はっ!
話がそれちゃった。

 

そのピラティスは
胸式呼吸が基本らしいです。

 

鼻から吸って口から吐く。
その時に、胸で呼吸する。

 

理由は
胸式呼吸で交感神経優位となり
緊張感が生まれて、空気が沢山取り込まれて
体が活性化してエクササイズ効果が上がるから
とのことです。

 

呼吸を意図的に使ってるんですね~。

 

一方、ヨガは
基本は腹式呼吸です。
鼻から吸って、鼻から吐く。

 

ネットで検索した情報では
ヨガはポーズを瞑想状態で行うので
副交感神経を優位とした
腹式呼吸が適してる
らしいです。

 

へ~~~~~。

 

でも。
時と場合ですよね。(笑)

 

ヨガでも
口からハーと吐くときあるし
ポーズが深まってきたり
エッジをホールドすれば
胸式呼吸が加わってくる。

 

あまり一つに決めなくても
いいように私は思います。

 

それでは、最後に。

 

胸式呼吸を練習して
おしまいにしましょう~!

<腹式呼吸>
1.楽な姿勢をとります。膝を立てて仰向け、側臥位、座位などどんな姿勢でもOKです。
2.片方の手を胸の上部に、もう片方の手をみぞおちレベルで肋骨を横から掴むように手をあてます。
3.お腹は大きく動かさず、手が押しだされるのを感じとりながら、息を吸って。
4.お腹はある程度締めたまま、胸がしぼんでいくのを手で感じとりながら、息を吐いて。
5.繰り返します。

 

完全にお腹を動かさずに
呼吸することはできないけど
できるだけ胸を動かす方に
フォーカスしてやってみて下さい。

 

そして。

 

胸式呼吸を、というより
胸郭の動きを自宅でも
そして一人でも意識して練習する方法が
あるんです。

 

アルものを使って。
女性であればお家に一つは
使い古したものがあると思います。

 

なんだかわかります?

 

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(また、公式LINE。(笑))

 

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まとめ

今日は、呼吸時に働く筋肉を安静時と運動時にわけて紹介しました。

運動時は、腹だけでなく、胸郭の動きも加わって呼吸をしていました。

呼吸は自律神経へも影響していました。

ヨガとピラティスは呼吸の仕方が違っていて、ピラティスは胸式呼吸で行っていました。

次回も、もう少し呼吸について掘り下げていこうかな~と思います!

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<参考文献>
(1)宮川哲夫 著、動画でわかるスクイージング、中山書店、2010年、p38~66
(2)越智淳三 訳、解剖学アトラス 第3版、文光堂、1998年、p278~285
(3)A.シュフラ― 他 著、からだの構造と機能、西村書店、1998、p244~245

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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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