【膝が前に出すぎると、なぜいけない!?理由を大公開!】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.17

【膝が前に出すぎると、なぜいけない!?理由を大公開!】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.17

https://iwahashiyoko.com/wp-content/uploads/2021/04/IMG_2586-300x300.jpg

こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。

淡路島でクリパルヨガクラスと
フェニックス・ライジング・ヨガセラピーをしています。

 

このヨガ解剖学では
ヨガに役立つ解剖学などの知識を
理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。

 

専門家向けではなく、体について
あまり勉強したことがない方に向けたコラムです。

 

さてさて~(^^♪

 

ヨガをする方だったら
一度は聞き覚えあるかもしれませんが
立位ポーズで膝を曲げたポジションに入る時

 

例えば
ウトカタアーサナ(椅子のポーズ)で
「つま先より膝が前に出ないように」とか

 

戦士のポーズⅠで
「踝より膝が前に出ないように」とか
聞いたことありませんか?

 

流派により多少の違いはあれど
おそらく似たような感じでは?
と思うんです。

 

でも、これなんででしょう~?

 

理学療法士がスクワットを教える時にも
やっぱり膝が前に出すぎないように、とか
お尻を後ろに引いてね、とか言うんですよね。

 

なんとなくそれが当たり前な
ティーチングのように
私も思っていたけど。

 

ちゃんとした理由が知りたいのよね!
ということで
私なりに考えてみました~!

 

今日はそれをシェアしますね。

 

題して

「なんで膝が前に出すぎるといけないの!?理由を大公開!」

理由は大きく考えて3つです!

 

理由1:膝関節は屈曲するとゆるむから

そもそもの膝の構造について
ちょっとだけお話しますね。

 

膝関節は、簡単に言って
屈曲位(曲げてる状態)だと
周りの靭帯等が
緩みます。

 


(イラストbyAC)
(右膝を外側から見ています)

外側側副靭帯
内側側副靭帯(イラストにはありません)
前十時靭帯(関節内で斜めに走る)
は確実に緩みます。

 

緩めば当然、膝関節は不安定になります。
完全伸展位では膝関節は回旋(捻れ)しませんが
屈曲位では回旋します。

 

また
屈曲位では関節内にあそびが生まれて
側方運動(内反・外反)も出やすくなります。

 

不安定になった膝関節を
関節面同士が適した状態で
そのポジションを保つためには
筋力がより必要です。

 

つまり
立位で膝関節屈曲位を
保持するためには

筋力が必要なんです!

 

ある程度の負荷であれば
それは筋トレになりますが
過負荷になれば
膝折れを起こしたり
関節や筋肉を傷めたりしますね。

 

それをしないように
目安として膝がつま先より前に出ないように
踝より前に出ないように
伝えるんですね~。

 

理由2:膝のお皿の裏を守るため

膝関節にあるお皿
ちゃんとした言い方では
「膝蓋骨(しつがいこつ)」と呼びます。

 

よくよく考えてみて下さい。
膝蓋骨って
変なところに骨があると思いません?

 

体重を支えてる骨ではなさそう。
小さい。
…え?なんのためにあるの?と思いますよね。

 

でも、膝蓋骨を
見くびらないで!!!

 

膝蓋骨は
とっても大きな役割を担っているんです!

 

まずは
膝蓋骨の役割を理解しましょう。

 

膝蓋骨の役割


1.膝関節を守る

これは、わかりやすいですね。

 

膝を床についたり
突発的な外力が加わった時に
膝関節そのものへの影響を少なくするために
膝蓋骨が膝関節を守っています。

 

だから
転倒した方などが
膝蓋骨を骨折する場合って
案外多いんですよ。

 


2.大腿四頭筋が屈伸で摩耗されるのを防ぐ

荷重位で膝の屈伸する時って
すごく強い力で屈伸をコントロール
してるんです。

 

そのコントロールをしてるのが
大腿四頭筋(ももの前の筋肉)です。

 

大腿四頭筋は膝蓋骨を経由して
脛骨粗面に付着します。


(イラストbyAC)
(右下肢を前方から見ています)

 

もし、膝蓋骨がなかったら。
大腿四頭筋は直接大腿骨に擦りつけられて
摩耗していきます。

 

膝蓋骨は、大腿四頭筋と大腿骨の間で
摩擦を和らげる働きをしてるんですね。

 


3.滑車の役割をして、膝伸展筋力を効率よく発揮する

膝蓋骨は、膝関節の前方にあります。

 

大腿四頭筋は
膝蓋骨を経由して脛骨に付着します。

 

なぜ、大腿四頭筋はわざわざ
膝蓋骨を経由すると思います?

 

これにも理由があるんです!

 

こまかい説明は省きますが
膝蓋骨は
てこの原理に一躍かっているんです。

 

膝蓋骨は、膝関節の前方で
滑車の役割をしてるんです。


イラストのバスケットボールみたいなのが
膝蓋骨で滑車をイメージしてます。

赤いラインは大腿四頭筋の走行です。

 

膝蓋骨があることで
大腿四頭筋は効率よく膝を伸展させるんです。

(滑車そのものの説明は私には上手にできないので、「滑車 原理」とかで検索してみて下さいね)

 

そんな3つの役割を担っている膝蓋骨ですが
膝蓋骨の裏にはぶ厚い軟骨があって
その圧さは4~5ミリあるとも言われています。

 

この圧さは、人体中最高とも言われています。

 

つまり
それだけ膝蓋骨裏に加わる圧が大きい!という意味です。

 

荷重位で膝屈曲角度が増せば
膝蓋骨は後ろに向かって
強く押しつけられることになり
膝蓋骨の裏に加わる圧も当然大きくなります。

 

過剰に膝屈曲して行うヨガポーズは
場合によっては
軟骨の変性や摩耗にもつながり
膝の痛みや周辺筋肉にも
影響を及ぼします。

 

だから
膝蓋骨裏の関節への負担も考えて
「つま先より膝が前に出ないように」とか
「踝より膝が前に出ないように」
というんですね。

 

でも…
ん?…ん??

 

つま先より膝関節を前に出さなくても
踝より膝が前に出なくても
膝関節はまぁまぁ曲がってませんか?

 

ホントに違いなんてあるんですか?
と思ったあなたはとても鋭い!!!

 

違いは



あるんです!

 

膝の角度だけでは図れない、膝への負担

これはもう
やってもらった方がわかりやすい!です。

 

<やってみよう>膝をつま先より前方に出すウトカタアーサナ VS 膝をつま先より前に出さないウトカタアーサナをしてみましょう!膝をつま先より前に出さないためには、体の他の部分はどんな風に変化していますか?(膝をつま先より前方に出すウトカタアーサナは、通常は行いません。十分に気をつけて行ってみてね)

<ウトカタアーサナ>
1.山のポーズになります(静止立位)
2.息を吸って両手を前方肩の高さまで上げます
3.息を吐きながら膝を曲げていきます
4.そこで一呼吸
5.吸う息で膝を伸ばして、吐く息で両手を体の横に下ろします

1回目普通に行う

ウトカタアーサナ

3で、膝をつま先より前方に出さないためには
体はどんな風に変化していきました?

 

骨盤を後方に引く
それと一緒に体幹が前傾する
股関節が屈曲する
重心を踵の方に移動する
お腹周り、腰回りに力が入る

などなど

 

他にも色々変化に気づいた方も
いるかもしれませんね。

 

では、↑これらの変化は
なぜ起きたのでしょう?

 

では
次のイラストを見て下さい。

 

膝を前方に大きく出して膝屈曲した場合は
膝関節(オレンジ)と重心位置(青)
の距離(赤矢印)が長くなりますよね。

 

すると、膝伸展モーメント
(ここでは筋力と思ってもらって
ほぼ大丈夫です)
が大きく必要になります。

 

一方
膝をつま先より前方に出さずにした場合

骨盤を後方に引いたり
体幹を前傾したりするので
膝関節と重心位置との距離が
先ほどより近くなり
距離が短くなります。

 

関節から重心線までの距離が長ければ長いほど
てこの原理で
関節に必要なモーメント(今は筋力)は
大きくなり
距離が短ければ短いほど
必要なモーメントは小さくなります。

 

わかります!?

 

つまり
膝がつま先や踝より前に出ないようにすると
膝をそのポジションに保つために必要な
膝伸展モーメント(筋力)が
小さくなるんですね!

 

一見すると膝の屈曲角度は
あまりかわらなくても

膝屈曲位を保つために必要な
膝伸展モーメント

(今は大腿四頭筋の筋力と考えて下さい)
は違うんです。

 

単に膝の屈曲角度だけを見ていたのでは
膝蓋骨裏にかかる負担は図れないんです。
他の部分との相対的な関係が
大事なんです!

 

ここでおまけです。

 

膝がつま先や踝より前に出ないようにすると
股関節(緑)と重心位置(青)との間には
距離(黄緑矢印)が生まれますね。

 

股関節と重心線の間に
距離が生まれるということは?

 

このポジションを保つためには
股関節の伸展モーメント
(股関節を伸ばす筋力と考えて下さい)
が必要という意味です!


赤い太ラインが膝伸展モーメント
黄緑太ラインが股関節伸展モーメント
を現わしています。

 

これは
お尻の筋力を鍛えたい
股関節周りを引き締めたい
という時に
スクワットをexとして使う理由ですね。

 

大切なのは
体の各部分と重心との相対的な位置関係です!

 

理由3:足関節から膝関節に運動連鎖が起きるため

最後の理由です!

 

あ~…でも、もう

私の、集中力が限界ですぅ。

 

こちらについては
ごめんなさい、次回にさせて下さい!

 

まとめ

今日は、ヨガの時に膝関節が前に出すぎると、なぜいけないの?ということで理由を大公開しました。

膝関節を過剰に屈曲したヨガポーズでは、膝屈曲で緩んだ膝を傷めかねないことや、膝蓋骨裏にかかる負担を大きくしすぎないためでした。

そして、もう1つ、すごく大切な理由があるんですが。

それについては、次回お伝えしますね~♪

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました♡

次回は、なににしようかな?
ネタ募集してま~す。↓↓↓

<募集中>
ヨガ解剖学では、今後扱ってほしい内容を募集しています。お答えできない場合もあるかもしれませんが、できる範囲で回答していこうと思います。気になっている解剖学のことなどあったら、教えてもらえたら嬉しいです。お待ちしています^^

ヨガ解剖学リクエスト

リクエストは公式LINEからでも大丈夫です。是非登録してね♪

<こちらもいかがですか?>
【ウトカタアーサナで大腿四頭筋を感じよう!】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.2
【前屈とハムストリングス①ゆるゆる伸ばす】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.5
【前屈とハムストリングス②筋膜を感じる】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.6
【胸椎の動きは○○とセット】理学療法士が教えるヨガ解剖学.vol11
【胸椎の固さは百害あって一利なし】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.12
【ヨガ教師が動きを観る時のポイント2つ】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.13
【重心動揺あれこれ】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.16

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士 

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP