【排便姿勢が大切な理由】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.26
こんにちは~。
こころのリハビリ専門家.理学療法士の洋です。
淡路島とオンラインで
こころのリハビリとヨガをしています。
このヨガ解剖学ではヨガに役立つ豆知識を
理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。
専門家向けではなく
普通の方向けのコラムです。
さてさて~(^^♪
前回、前々回と骨盤底筋群について
シェアしてきました。
骨盤底筋群とは?
骨盤底筋群はどうやって内臓を支えているか?
今日はその続きで
排便姿勢について深掘りしていきます。
排便姿勢をとるために大切な要素
排便する時には
骨盤を前傾位にすることが必要でしたね。
適切な排便姿勢
理由は
骨盤前傾位になることで
直腸を前方に引っ張っていた筋肉や
肛門を閉めていた括約筋が弛緩して
直腸肛門角が90度→鈍角へと緩むためです。
(イラスト by AC)ラインは書き加えました。
排便姿勢になって前傾すると
水色の直腸肛門角が90度→鈍角に
緩みます。
では、質問です。
<考えてみて>骨盤前傾位をとるためには、どんな要素が必要ですか?
是非自分の体を使ってやってみて下さい。
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はーい、時間で~す!
なにか浮かびました?
骨盤前傾位をとるための大事な要素
それは、足底接地です!
足裏が床にしっかり接地していないと
骨盤て前傾に持っていきづらいですよね。
でね、骨盤前傾に持っていくと
足裏はどうなっていきます?
荷重が増えますよね!
骨盤前傾位に持っていく時は
足底接地+荷重が必要です!
では、もう一つ考えてみて。
<考えてみて>排便姿勢がしづらい人って、どんな人が思い浮かびますか?
つまり、便座に座った時に
骨盤前傾姿勢がしにくい人
足底接地がしにくい人
荷重がしにくい人
を具体的に考えてみて下さい。
例えば
円背(背中が丸い)の高齢者
円背になると
身体重心は後方にシフトします。
重心が後方にあるので
そもそも骨盤自体を前傾に動かしにくく
円背の方は背骨も伸びにくいのです。
無理に背骨をの伸ばそうとすれば
背骨の圧迫骨折を起こすこともあります。
骨盤を前傾に動かそうとしても
実際はあまり骨盤が動かず
上半身の丸まりを強めるだけ
という場合もよくあります。
このタイプの方は
そもそも上半身を動かしにくく
足裏が床にしっかり接地しにくいタイプです。
足裏がしっかり床につかないので
荷重も当然不十分です。
背が小さい人
これも
高齢者で是非イメージしてみて下さい。
小さいおばあちゃんが便器に座ります。
でも
近頃の便器の高さは標準で40㎝。
おばあちゃん足が床に着きません。
お尻を前の方にして
なんとか足をつけようとするけど
お尻が前にいきすぎると
下着を濡らしてしまいやすい。
ズボンや下着を
しっかり下まで下ろせればいいけど
下ろせば上げるのが大変。
何度か下着を汚すことが続くと
トイレに行くこと自体が億劫になってくる。
こんな流れでトイレに行くこと自体が
減ってきてしまうこともあります。
そして
足が床に着かない要因として
環境面から穂高便座というものが
絡むこともあります。
穂高便座というのは
便器はそのままで座部を高くする
介護用品です。
介護保険で補助がおりるため
時たまつけてるお家もありますね~。
穂高便座は
膝を深く曲げると痛い方や
低い座面からでは一人で立ち上がりにくい場合に
設置することがあります。
ただ、この穂高便座。
確かにメリットはあるんですが
小さい方は足裏が床に接地しにくくなります。
そりゃそうですよね!
便座高くしてるんだもん。
だから
穂高便座つけた後に排便はどうか?
気にする必要がありますね。
そして
もし排便しづらくなっていることがあれば
対策として
足を置く台を準備することも
場合によっては必要になります。
これ、本人が準備できない場合は
マンパワーが必要なんですが。
こんな感じです。
足台を準備して
立つ時は足台をどかして。
確かに手間です。
でも、そのひと手間で自力で排便できるなら…
と理学療法士的には思ってしまうのですが。
本人と家族、介護者の思いを
伺って対策する必要がありますね。
これ、子供の場合でも同じです。
足が床に着ける便器の高さかどうか。
チェックしてみて下さいね。
話がそれましたが
足底接地+荷重が行いにくい例として
もう一つタイプがあります。
下肢に麻痺のある人
これは両下肢に麻痺がある場合でも
片側に麻痺がある方でも
どちらの場合にも起こりえます。
私が臨床で経験した方で
案外見落とされがちだと思うのが
片麻痺の方です。
片麻痺というのは
脳の病気で身体の片方に麻痺がでている方です。
片側の麻痺だから
もう片方に麻痺はなく接地できるんですが
片麻痺の側は感覚も鈍っていることが
多くあるんです。
すると
足は床に着いているのに
接地してる感覚が薄くて荷重しづらかったり
荷重すること自体に怖さがあったりします。
そんな時は
「あなたの足は今、こんな状態だよ」と
伝えてあげることがまずは必要です。
足はしっかりついているよ、とか
目で確認したら大丈夫だよ、とか
お尻の位置がこの辺りまでなら大丈夫だよ、とか
できるだけ具体的に。
そして
滑り止めマットとかで
感覚の鈍い側の足が滑らないように
工夫をしてあげることなども
効果を生む場合があります。
まぁ
対策はその都度色々ですね~。
ここまでは
骨盤前傾の排便姿勢をとるために
大切な要素を紹介しました。
では、排便姿勢がとれないと
どうなるのでしょう?
排便姿勢がとれないと大変
排便姿勢がとれないと
直腸肛門角は鈍角にならず
骨盤底筋群も緩みません。
出しにくい状態で排便する
そのために、強くいきむわけです。
そもそも排便姿勢の時は
横隔膜は下がり、腹は膨らみ
ウエストも広がって、骨盤底筋は緩んで
便が排出されています。
その排便姿勢がとれない時は
横隔膜は下がらず
腹は引き込むように求心性の収縮をして凹み
肛門周囲の括約筋も緩み切れません。
だから強くいきんで腹圧で
便を押し出そうとします。
強くいきんで排便することが習慣になると
痔にもなりやすいですよね。
強くいきんで排便する仕方が毎回になると
骨盤底には排便の度に強い圧が加わり
負荷となります。
骨盤底に慢性的に負荷がかかる例として
もう一つ便秘があります。
便秘は便が長時間大腸に留まることで
水分が吸収され、便は固くなります。
便は通常だと24~72時間程度で排出されますが
便秘の人はもっと長く便が大腸にあります。
すると
便の重みを骨盤底部で支えなくてはならず
骨盤底部には持続的に負荷がかかり
筋肉は伸ばされます。
便の重みの負荷+強いいきみ
で骨盤底部に加わる負荷はダブルパンチ~!
おまけにお肌もあれるし
お腹はって苦しいし。
便秘っていいことないですね~。
そうそう
あなたも経験ありませんか?
便秘の時
強くいきんで出そうとしても全然でない!
そんな時は排便姿勢して
ゆっくり腹式呼吸してると出たー!
みたいな。(笑)
体感として
骨盤前傾位で骨盤底筋群が緩む感覚って
わかりますよね。
これ、排便時以外にも
体感できることがあるんです。
多分、女性なら
「あ~わかる!」てことだと思うんですが。
思い浮かびます?
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でもこれ
ブログには書ける内容ではありませぬ…
めっちゃ書きたいんだけど。
ピー入っちゃう。(笑)
なので
明日の夜(10月31日)洋の公式LINEで書きます。
超オタク!
と思われそうですが。
だって、自分の体で理解するのが
一番わかりやすいでしょー。
洋が骨盤底筋群が緩むのを
体感する時!!!
ということで
是非、洋の公式LINEにご登録下さ~い。
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まとめ
今日は、排便する時に重要な排便姿勢を詳しく紹介しました。
排便姿勢をとるためには、骨盤前傾、足底接地、足底荷重が大切な要素です。
排便姿勢をとることで、骨盤底筋群はゆるみ排便がしやすくなります。
排便姿勢がとれない場合は、強くいきんで腹圧をかけて排便を行いますが、強いいきみは骨盤底部に負荷となります。
また、慢性的な便秘も骨盤底部には負荷となります。
次回も、もう少し排便について掘り下げてみみようかな~♪
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<参考文献>
(1)田舎中真由美 著、まゆみんが教える!骨盤底機能、ヒューマン・プレス、2019年、p36~55
(2)田舎中真由美 著、骨盤底筋から体幹機能を高める!(研修資料)、Breathing care Tokyo、2019
(3)田舎中真由美 著、女性のためのコンディショニング(研修資料)
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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士
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