【重心動揺あれこれ】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.16
こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。
淡路島でクリパルヨガクラスと
フェニックス・ライジング・ヨガセラピーをしています。
このヨガ解剖学では
ヨガに役立つ解剖学などの知識を
理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。
専門家向けではなく、体について
あまり勉強したことがない方に向けたコラムです。
さてさて~(^^♪
その中で重心の揺れ動きは
誰にでもあるんです!とお話しました。
今日は
重心の揺れ動きについてもう少しお伝えします。
重心位置の移動は呼吸でも起きる
立位であっても、他の姿勢であっても
姿勢を保持する時は、外から見たら
静止状態を保っているように見えても
わずかな重心位置の移動は常に起こっています。
立位姿勢では
はじめに支持基底面と足部、足関節の関係が
定まります。
身体は、足関節を支点として
逆振り子のような運動をしてるんですね。
立位では、頭部、重心点はたえず
動揺しています。
人が、アナログの体重計に乗った時
針が完全に止まることってないですよね。
小さく動き続けてます。
体重計は単に重さを計ってる感じですが
あの小さな針の揺れ動きは
重心が小さく動揺してるから
完全に止まることはないんですよね。
その動揺は、呼吸をするだけでも
起きているくらいです。
逆振り子をイメージすると
呼吸で少なくとも胸郭やお腹は膨らんだり
縮まったりするので、上の形が変われば
重心も小さく動きますよね。
<やってみよう>両足を床についた立位で、目線を一点に固定して、呼吸してみましょう。その時に足裏に集中して、足裏のどのあたりに圧がかかっているか。吸う時、吐くときはどう変化するのか、感じとってみましょう。
私がこれをすると
吸う時は足裏の少し前方に圧が移動して
吐くときは元に戻ってくる感じでした。
もしかしたら、人によって多少違うのかな?
必ずしも全員が吸う息で圧が前方に移動する
とは言いきれませんが、呼吸で圧のかかる場所が
移動することは確認できたと思います。
ちょっと話がそれますが。
私20代の頃に、
ダイビングを数年やってたんです。
海の中では
レギュレーターから空気を吸うと
わずかに体が浮かんで
吐くと沈むんです。
吸う息で体が膨らんで
吐く息で縮まっていく。
エアの出入りで体の重さが変わる。
それをすごくわかりやすく体感したのが
ダイビングでした。
ヨガでは、体が浮くことはないけど
例えば女神のポーズの時。
吸う息で、少し重心が上がって
吐く息で、下がる。
そんな体験をしたことがある方も
きっといますよね。
ヨガの時の小さな重心の動きと
ダイビングの時の感覚がなんか似てるな~
てふと思い出したんです。
体は呼吸をするだけでも重心が
わずかに移動するものなんですね~。
呼吸は、生きていれば絶えず続くものなので
重心は常に揺れ動くものだってことが
なんとなく理解できますか?
人はどうやって歩きはじめる?
立位の場合は
重心線は足関節のやや前方になります。
そのため
重力は体を前に倒すように働くんです。
わかります!?このイラスト。
青丸が重心、重心は足関節より若干前方です。
股関節よりも前方でもあるため
股関節は屈曲させる方向への力が働きます。
すると、体の中では
背面の力でこれを止めるような働き
をするんですね。
これを背面の筋が調整して、姿勢を保つので
重心の前後動揺が起きます。
背面の筋は、
ふくらはぎの下腿三頭筋や
背中の脊柱起立筋などが
特に立位姿勢を支える役割を
大きく担っているんですね~。
でね。
今日すっごく書きたかったことがあって
それをここで書きます。
それは、人が歩きはじめる時。
人はどうやって動き始めてるでしょうかー?
・
・
・
どう!?どう!?
なんか思いつきました?
もったいぶらずに教えちゃいます♡
簡単に言うと
立位を保持するために働いてた下腿三頭筋が
一瞬!力を抜くんです。
そうすると
下腿の前方回転が起きて
重心が前方に移動し始めるんです!
でも、ずっと下腿三頭筋が力抜けてると
前に倒れるので、ホント一瞬です!
その一瞬起きた重心移動を利用して
歩きはじめるんですよー。
これを逆応答現象といいます。
…これ、めっちゃすごくないですか?
超効率的!
動き始める時には
力を入れるんじゃなくて
抜くんです。
余計な力を抜いたら
人の体って勝手に動き出すんです。
なんか
物事を新たに始める時にも当てはまることだな~と思って。
力んで無理やり流れを起こすんじゃなくて
一瞬ふと力を抜いてみる、
そしたら、自然と流れが起きる。
私、この考え方すごく歩きです(笑)
話がちょっと逸れました。
重心動揺の年齢変化
ではでは、最後に。
重心動揺の年齢変化についてです。
この重心動揺は、幼少期は大きく
10歳代後半までは年齢増加につれて減少し
20代で最小になります。
その後は増加して
70代以降は著しく増加します。
同じ人であっても、重心動揺は年齢によって
変化するんですね。
70代を超えて著しく低下するのは
それほど疑問に感じませんが
20代をピークにその後は低下する
というのは、あまり体感としてない
かもしれないですね。
さらに!
この重心動揺は閉眼によって増大します。
ヨガの最中にも
よく目を閉じて動いたり
体を感じとったりすることありますよね。
加齢と共にバランスが低下すること
目を閉じるとバランスがとりにくいことは
体感的にはわかっていることかもしれませんが。
ヨガ教師の方は
特にその点は覚えておきたいですね~。
まとめ
今日は、重心動揺についてお話しました。
外から見て止まっている風に見えても、重心は小さく動き続けていること、また重心動揺は年齢によっても変化して20代をピークにその後は低下することをお伝えしました。
さらに、重心動揺は閉眼で増大することもお話しました。
次回は、なににしようかな?
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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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