【ヨガ教師が動きを観るポイント2つ】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.13
こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。
淡路島でフェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)の個人セッション(オンライン)やクリパルヨガクラス(対面・オンライン)を行っています。
ヨガセラピーやヨガを通して体と心をつないで、本当の私で生きていくことをサポートしています。
このヨガ解剖学では、ヨガに役立つ解剖学などの知識を理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。
専門家向けではなく、体についてこれまであまり勉強したことがない方向けのコラムです。
このコラムを読んで、体に興味が湧いたり、体を感じとるサポートになったら嬉しいです。
さてさて~(^^♪
前回、前々回と胸椎についてお話しました。
【胸椎の動きは○○とセット】理学療法士が教えるヨガ解剖学.vol11
【胸椎の固さは百害あって一利なし】理学療法士が教える
今日は、ヨガ教師が脊柱の動きを観るポイントをお伝えします。
脊柱の動きを観る時のポイント2つ
しわがどこに、どのくらいの深さで寄ってる?
例えば、後屈を思い浮かべてみましょう~。
後屈の時は、背骨一つ一つが少しずつ動いてキレイなカーブを描くことが理想です。
でも、実際はどうでしょう?
カーブはほぼなくて、ある1か所に急角度があるなんて人、見ませんか?
しわが1か所によってるなんて人、見ませんか?
いると思うんです、そういう方。
では、急角度があるってどういうことでしょう?
しわが1か所に寄るってどういうことでしょう?
・
・
・
そのレベル(高さ)で大きく動いてる、ってことです。
角度が急であればあるほど、しわが深ければ深いほど、そこから動いてます。
言い換えれば他のレベルは、動きが乏しい。
そして、それは日常生活の中のちょっとした動きの時も同じような動き方をしてます。
脊柱が背中の表面近くにあるから、後屈だと特にそれがわかりやすいんです。
この写真だと服の上のしわはいくつも寄ってるけど、動きの中心はだいたい黄色の矢印あたりかな。
黄色矢印あたりで急に角度が増えますよね。
矢印より上の脊柱にはあまりカーブがない。
黄色の矢印あたりで後屈してるんです、私。
この1か所で過剰に後屈してる人って、かなり多いんです。
特に腰椎で動くケースが本当に多い。
腰椎が1か所で過剰に動きすぎてる場合は、クリパルのクラスでよく声掛けする「恥骨を床に押し付ける」などを伝えてみることも効果的です。
腹部のコアがベースに働くだけで、動き方は大分変わります。
また、後屈を少し緩めるだけでも、動きすぎていた1か所への負担は軽減させることができるので、もう少し緩める提案も生徒さんのサポートになります。
それから後屈の時は、頚椎も要注意です。
例えば、ラクダのポーズの時に、頚椎レベルで1か所にしわが深い方もたまにいますね。
そういう場合は、ロールタオルとかで首が後屈しすぎないように保護してあげるなど提案もいいかもしれません。
腰椎や頚椎の後屈(伸展)は、本来それを出したくないのに、動きの癖で出てしまっている場合もあります。
例えば、ウトカタアーサナの時。
ウトカタで膝を曲げた時に、腰椎が伸展しているケースをよく見ます。(この写真ではそれほどありません)
ウトカタでは、膝を曲げて骨盤を後方に引く動きが入ります。
この時に、本当は腰椎を伸展させようとは思っていなくても、体の動かし方の癖で骨盤前傾させるときは、腰椎伸展をもセットで使うことを体が覚えてしまっているんです。
こんな時も洋服にしわがよることがあります。
また、頚椎が意図せず伸展しているケースとしては、長時間パソコンをしている場合です。
パソコンを長時間してると背骨が丸まってきますよね。
でも、画面は前方同じ位置にある。
すると、画面を見るために頚椎を屈伸させて目線を上げたり下げたりします。
その回数や時間が多ければ多いほど、しわは深くなり、ある1か所に負担をかけることがあります。
後屈以外の動きでも、しわが深くなっているところでは、動きが出ています。
側屈の場合は脇腹のしわ、前屈の場合はお腹のしわに注目してみて下さいね。
こんな風に、体の表面のしわや服のしわは、動きを見る時のヒントになります。
生徒さんの動きが見れるようになると、ヨガクラスでヨガ教師が生徒さんに行う声かけも変わってきます。
今、一番必要な声掛けができるようになっていきます。
生徒さんの動きよ~く見てみて下さいね。
骨盤の位置
これは立位で動く時の話です。
前屈を例に話ていきますね。
<やってみよう>次の2つの条件で前屈をしてみましょう。その時、前屈のしやすさを比べてみましょう。①普段どおり ②後方に壁がある状態で、踵と骨盤を壁に押し当てながら前屈
②の方、どうでした!?ワクワク
前屈できないですよね。
前屈しようとすると前につんのめりそうになって、足の指が強く床を押し下げて抵抗する感じになります。
では。
<やってみよう>壁から軽く一歩前に出て、踵と壁の間にスペースを作り、骨盤は壁に押し当てながら前屈してみましょう。
すると、どうですか?
これは前屈できますよね!
つまり、大切なのは、足部に対する骨盤の位置なんです!
前屈する時は、骨盤を後方に移動させながら前屈をすると、骨盤が前傾しやすく、股関節から前屈しやすくなります。
でも、骨盤が後方に移動できないと、前屈そのものが深まらないか、腰椎で過剰に屈曲して前屈しようとします。
そうすると、腰を傷めます。
この腰椎からの前屈で腰を傷めるケースは臨床でもヨガでも本当に多い!
腰のヘルニアとか、このパターンが多いです。
後屈も同じことです。
後屈する時に骨盤が前方に移動できないと、脊柱で後屈を出そうとします。
すると、腰椎や頚椎に先ほど話したようなしわがよって、過剰な伸展をする場合があります。
側屈も同じです。
側屈は、骨盤が側方に移動すると、上半身を反対側に流しやすくなります。
例えば、ヨガの半月のポーズをする時に、骨盤が側方にほとんど移動せずに行っている方を見ます。
その場合は、クリパルでいうプレスポイントを使って、骨盤をもう少し押し出すと伝えてみてもいいですし、骨盤に軽く手を触れて動く方向を教えてあげてもいいですよね。
こんな風に、立位で動く場合は、骨盤がどう動いているかは大切です。
そして、骨盤が動かない場合は、後屈であれば、まずはハムストリングスの固さを疑います。
前屈であれば、大腿直筋の固さ、側屈であれば、大腿筋膜張筋の固さとかです。
今あげた筋肉は、どれも骨盤に付着する二関節筋ですね。
その辺の筋は骨盤の動きに、大きく影響します。
脊柱の動きを見る時には、足部に対して骨盤がどういう風に動いているのか、動いていないのかも合わせて観察してみて下さいね~。
まとめ
今日は、ヨガ教師が脊柱の動きを見る場合のポイントをお伝えしました。
よく動くレベルの皮膚や服にはしわがよります。
しわがどこにどのくらい寄っているかは、動きを見る時のヒントになります。
また、立位で動きを見る時は、足部に対する骨盤の位置がヒントになります。
ヨガクラスで動きが見れるようになると、生徒さんへの声掛けも変わってきます。
是非、練習してみて下さいね~。
次回は、なににしようかな~?ネタ募集してま~す。↓↓↓
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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士 洋
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