【関節の形あれこれ】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.10

【関節の形あれこれ】理学療法士が教えるヨガ解剖学vol.10

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こんにちは~。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士の洋です。

淡路島でフェニックス・ライジング・ヨガセラピー(PRYT)の個人セッション(オンライン)やクリパルヨガクラス(対面・オンライン)を行っています。ヨガセラピーやヨガを通して体と心をつないで、本当の私で生きていくことをサポートしています。

このヨガ解剖学では、ヨガに役立つ解剖学などの知識を理学療法士×ヨガ教師の視点で紹介しています。

専門家向けではなく、体についてこれまであまり勉強したことがない方向けのコラムです。

このコラムを読んで、体に興味が湧いたり、体を感じとるサポートになったら嬉しいです。

さてさて(^^♪

今回でヨガ解剖学がvol.10になりました~!パチパチパチ

いまだ、どういう風に書いたら良いのか、探りながらではありますが、なんとか10投稿目。

おめでとう、そして、アタシ頑張った。ニコ

今回はそんな10回目にふさわしいかはわかりませんが、関節の形をあれこれ紹介します。

これを紹介するために、2回前の身体の基本面と基本軸、動きの呼び方、前回関節の基本的な構造にも触れておいたんですよね~。

 

なぜ関節の形を知ることが大切なの?

それは、ヨガやそれ以外の運動をする時など、怪我や障害を予防するためです!

先に言ってしまいますが、関節にはそれぞれ特有の形があって、それによって運動軸が決まっているんです。

運動軸が決まれば、軸周りには動けるけど、それ以外の動きはできません。

コレ、頑張って努力したらできる、ってもんじゃないんです。

また、運動軸があっても、ある程度の参考可動域があって、構造的に大きく動かせるところと、そうでないところがあります。

本来、あまり大きく動かない関節なのに、大きく無理に動かそうとすれば、それは怪我を招きます。

それをおおざっぱにでも知っておくことは、ヨガやそれ以外の運動をする時にも、怪我や障害を予防することになると思ったんです。

ヨガは、体に無理させて難しいポーズをするスポーツでもないし、関節が柔らかい人がすごいわけでもありません。

そういうことに気をとられて、無理して、体を壊すようなヨガはしてほしくない、と思ったんです。

 

それでは、前置きが長くなりましたが、関節の形を紹介していきます!

関節の形を見る時に、是非考えてみて欲しいことは、まず自分の体を動かしてみて、どんな動き方ができるか?です。

身体の基本面と基本軸、動きの呼び方で紹介した、屈曲・伸展、内転・外転、内旋・外旋です。

そして、例えば屈曲・伸展の動きができるなら、前額軸を持っていて、前額軸を持った関節の形はどんなかな?とみていく感じです。

普通は、形を見て→軸を考えて→動きを理解する、という流れかもしれませんが、ここでは逆の流れで、体をまず動かして目星をつけていくやり方でいきましょう。

では、いってみま~す♪

 

関節の形の種類

まずは、以前に紹介した股関節のおさらいからです。

股関節は、臼状関節でしたね。覚えてます!?

球関節(臼状関節)

Q.股関節は、どんな動かし方ができますか?実際に自分の体を動かして考えてみてね~。

屈曲・伸展→◎
外転・内転→◎
外旋・内旋→◎

全部できます!

ということは、運動軸は

屈曲・伸展→前額軸
外転・内転→矢状軸
外旋・内旋→垂直軸

3軸あります。

でも、球関節は、形が球だから、運動軸は無数にあります。だから、多軸性関節といいます。

では、その多軸性関節がどんな形をしてるか、というと?



こんな形でしたね~!

思い出してきました?(笑)

イラストでは、関節頭が上に描いてありますが、実際の股関節は関節頭が下です。

球関節とは、関節頭がほぼ半球状、関節窩(受け皿)が浅いくぼみになっている関節のことでした。

球関節には股関節の他に肩関節があって、肩関節は関節窩が浅いんです。

だから、肩関節は股関節よりも可動範囲が大きい!

一方、股関節は、骨頭のほぼ3/4が関節窩に収められているから、可動範囲が肩よりも狭いんだったね~。

<やってみよう1>肩と股関節を比べてみよう。それぞれの動く範囲が、どんなふうに違うのか比べてみよう。

ここでは、おおざっぱにでいいから、ざっくり比べてみてね。

念のために、参考可動域というのをのせておくね。

参考可動域とは、理学療法士が関節の動く範囲(可動域)を評価する時に、およそ参考にしてる可動域のことです。

関節可動域、Range of motion(ROM)というよ。

関節可動域を計測する時には、基本軸と移動軸というものがあって、この軸の角度を角度計で測っていくんだ~。

股関節 肩関節
屈曲 125(膝関節屈曲位の場合) 180
伸展 15 50
外転 45 180
内転 20 0
外旋 45 60
内旋 45 80

肩関節の内転が0というのは、体幹にぶつかってしまうから0という意味だよ~。

さぁ、どんどん関節の形を見ていこう~。

 

楕円関節(顆状関節)

球関節では関節頭が球状だったけど、骨頭が楕円系をしているのが、楕円関節です。

楕円関節は、橈骨主根関節:手首の関節がこれにあたるよ。


(photo by AC)
右手を背側からみています。
赤いラインのところが、橈骨主根関節だよ。

では、さっきと同じようにどんな動き方ができるか、考えてみよう。

屈曲(掌屈)・伸展(背屈)→◎
外転(撓屈)・内転(尺屈)→◎
内旋・外旋→×


掌屈


背屈


撓屈


尺屈

屈曲(掌屈) 90
伸展(背屈) 70
撓屈 25
尺屈 55

(参考可動域)

手首の関節は、ねじる動きはできないね。

だから、前額軸と矢状軸だけの2軸性関節です。

では、その形は…

こんな形…イメージわく?

関節頭が楕円、関節窩がこれに対応したくぼみをしてて、関節頭の長短の軸周りに動くイメージだよ。

ちょっとわかりにくかったかもしれないけど、だいたいでいいから。

そうそう、手首の関節は回せるますね!

これは、さっきの屈伸と横へ傾ける動きを組み合わせることで、できています。

あれ?でも、手のひらは上を向けたり、下に向けたりできるけど…

ちょっと待って!その動きは、捻じれと間違いやすいけど、違うんです。

試しに、右手の平を上下に向ける時に、左手は右手首の両サイド(黄色の〇あたり)を触ってみて。

手のひらを上下に向ける時に、触っていた両サイドの部分も一緒に動いてない!?

つまり、手のひらを上下に向ける時は、手首の関節で動いてるわけじゃなくて、別のところから動いているんです。

じゃあ、この動きはどこで起きてるのー?

<やってみよう3>右肘の骨を両サイドから左手で固定して(黄色矢印のあたり)、手の平を上下に向けてみよう!

あれ!?動かない!!!

固定してる肘は全く動いていないのに、手のひらが上下に向く!?

ということは、手の平を上下に向ける動きは、肘から先のどこかで動いてる、ということがイメージわきますか?

コレ、私、学生の頃の解剖の授業で初めて聞いた時、感動したんです、面白すぎて!

あなたも、そうであったことを願います。(笑)

じゃ、ここにどんな関節があるのか見ていこう~♪

 

車軸関節

これは、肘のすぐ遠位、すぐ下にある上橈尺関節という関節の形の名前です。

ここに関節があること自体、知らない人もいるかな?と思うけど。

黄色の矢印あたりにあります。

ここでは、関節自体が普段意識されてない部分だから、先に形を見ていきましょう~。

ずばり、こんな形をしてます。

橈骨(親指側)と尺骨(小指側)が並んでいて、尺骨の近位部に輪っかのような構造があって、その中に橈骨が入ってる作りです。

イラストのピンクで塗ってる骨が橈骨、輪っかを作ってる方が尺骨だね。

橈骨が、長軸周りに回転して、橈骨と尺骨がバッテン(×)になって、手のひらが下を向くんだよ~。

(フリーで使えるイラストが見つからなかったので、ネットで「回内外 骨」とかで検索してみてね)

ちょっと今まで出てきた関節のイメージと違うけど、これも関節なんです。

ちなみに、上橈尺関節はイラストのように輪っかの部分は靭帯です。

靭帯が骨とくっついて輪状靭帯になって、関節を作っています。

車軸関節でできる動きは、長軸周りに回転する動きだけだから、1軸性関節だね。

それじゃ、もう少し見ていこう~。あと少しだから頑張ってね。

 

鞍(あん)関節

これは、第一主根中手関節、手の親指の付け根の関節の形です。


(photo by AC)
イラストの赤いラインのところです。

親指の先から触っていくと、だいたい触診できるけど、ちょっと表面から見るには、わかりにくい場所だね。

およそ親指の付け根にある関節、と思っていて大丈夫だよ。

では、この関節どんな動き方ができるでしょう?



わかりにくいね~。

先に言ってしまうと、この関節ができる動きは2通りです。

親指が第2指に対して、橈側に離れていく運動:橈側外転(黄色の矢印)
橈側外転から基本肢位に戻る運動:尺側内転

親指が手掌に直角で、母指の前方への運動:掌側外転(黄色の矢印)
掌側外転から基本肢位に戻る動き:掌側内転

だから、この関節は2軸性関節だね。

その形は

こんな形なんだけど…はぁ?て感じだね。

鞍関節の鞍は、乗馬の時の馬の背中の形に添わせてのせるアレ。

それを骨同士がしてるような感じの関節だよ。

そんな関節だけど、この母指の付け根の関節の役割は、と~っても大きいんだよ~。

橈側外転 60
尺側内転 0
掌側外転 90
掌側内転 0

(参考可動域)

 

蝶番関節

これは、指の関節の形です。

黄色の矢印部分と思ってね。

じゃぁ、この関節はどんな動き方ができるかな~?



屈曲・伸展→◎

他はできないね!

だから、1軸性関節です。

その形は!?

これは、イメージしやすいね~。

動きはピンクの骨の長軸周りだけで、行われます。

指は捻じれたり、横に傾けたりすることはてできないね。

屈曲(PIP:近位指節間関節) 100
伸展(PIP) 0
屈曲(DIP:遠位指節間関節) 80
伸展(DIP) 0

*DIPは、爪に一番近いところにある関節です。PIPは、その一つ手前にある関節です。
(参考可動域)

さぁ、次で最後だよ!

 

平面関節

これは、背骨の間にある椎間関節が、これにあたります。

じゃぁ、最後も考えてみてね。

背骨ができる運動は…?

屈曲・伸展→◎
外転・内転→→→ちょっとわかりにくい?
要は、側屈とイメージすると、どう?
側屈→◎ できるねー
回旋→◎

この関節の形は…

こんな形なんです。

平面関節、これは向かい合う関節面が形も大きさもほぼ同じ平面なんです。

背骨の椎間関節は、関節の周りを関節包と呼ばれる狭い袋や靭帯で囲まれてるから、動きとしては、とても小さいんです。

でも、一つずつは小さい動きだけど、背骨のように沢山連なると、結果的には背骨全体で大きく動いているように感じになるんだね~。

これが臨床では、ある1か所で背骨が動きすぎてる場合があるんです。

多いのが腰や首。

ある程度動くことは必要だけど、ある1か所に動きが集中すると、その関節を傷めたり、痛みになったり、場合によっては神経症状として下肢の痺れや筋力低下などにつながることもあるの。

一つ一つの動きは小さいけど、それが動きすぎる状態もまた、問題になるんだす~。

 

まとめ

関節の形をあれこれ紹介しました。

関節には運動軸があり、運動軸周りに動いています。

運動軸は関節の形に依存します。

関節の形を理解することは、怪我や痛みを予防していくことにも役立っていきます。

 

あとがき

今日も、ここまでお読み頂きありがとうございました~!

ようやく関節の形を紹介できました。

でも、関節の形は、ちょっとはじめはイメージわきにくいところもあるかもしれません。

ここでは、著作権の問題でイラストが限られているけど、ネットで探すと色んなイラストが出てくるので、色々眺めてみてね~。

次回は、なににしようかな~?ネタ募集してま~す。↓↓↓

<募集中>
ヨガ解剖学では、今後扱ってほしい内容を募集しています。お答えできない場合もあるかもしれませんが、できる範囲で回答していこうと思います。気になっている解剖学のことなどあったら、教えてもらえたら嬉しいです。お待ちしています^^

ヨガ解剖学リクエスト

<参考文献>
(1)中村隆一 他、基礎運動学第4版、医歯薬出版株式会社、1998年、p58
(2)Michawl Schunke 他、プロメテウス解剖学アトラス 解放学総論/運動器系、医学書院、2009年、p38
(3)奈良勲 監修、運動療法学総論、医学書院、2003年、p22-23
(4)越智淳三 訳、解剖学アトラス 第3版、文光堂、1998年、p16

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今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
体と心をつなぐヨガセラピスト×理学療法士 洋

 

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